「馬の気持ちなんてわかるわけないじゃないですか!だって馬ですよ?」…2020年秋華賞、無敗の3冠牝馬誕生。

 一言で表現すれば「余裕」。この言葉が実にふさわしい、デアリングタクトの完勝。

 

 今年の秋華賞は「案の定」デアリングタクトの優勝に終わったわけですが、本当にただの通過点でしたね。道中はいつも通り後方からレースを進め、3コーナーから外々を回して直線入り口では5番手までポジションを上げました。あとはそのまま抜け出すだけ。2着に食い込んだマジックキャッスルにつけた着差は1馬身1/4という一見地味な数字ですが、個人的にはG1競走でここまで余裕綽々の勝ち方を見せつけられたのは久しぶりの気がします。いや、凄かった。

 

 ラップタイムは前半59.4秒、後半61.1秒。数字上ではややハイペースといったところでしょうが、上位に来た馬は道中10番手より後ろの馬がほとんど。稍重という馬場状態もあり、数字以上に前の馬には厳しいレースだったようです。2着以降はい人気薄勢が顔をそろえましたが、3着のソフトフルートは前走の夕月特別を4馬身差で快勝してきた馬。古馬混合の2勝クラスとはいえ、牝馬限定戦だったので「夏の上がり馬」の条件には厳密に当てはまらないと判断し名前は挙げませんでしたが…結果的には充分穴をあける資格は持ち合わせていたというわけですね。秋華賞に関しては牝馬限定戦でもOK。また一つ勉強になりました。

 

 負けた馬の中からもう1頭挙げるとするならマルターズディオサ。この厳しい条件下で果敢に逃げを打ち、結果7着に終わったとはいえ勝ち馬とはたった1秒しか遅れませんでした。元々チューリップ賞を勝つなど実績は確かでしたが、秋になっても近年の出世レースである紫苑ステークスを制した馬。デアリングタクトには敵いませんでしたが、古馬になってどのような成長を見せてくれるのか楽しみになりました。

 

 あとはデアリングタクトの次走がどうなるか?恐らくジャパンカップでしょうが、今日の余裕仕上げと違って次は全力の仕上げを施してくるでしょう。来週の菊花賞でコントレイルがどうなるかはわかりませんが、今のところではデアリングタクトに本命を打つつもりです。たとえコントレイルが菊花賞を勝ったとしても。

 

 何はともあれ、史上初・無敗の3冠牝馬誕生おめでとうございます。

 

 かしこ。