「馬の気持ちなんてわかるわけないじゃないですか!だって馬ですよ?」…2020年の日本競馬「11対16」という数字。

 去る日曜日に有馬記念が終わって、火曜日に東京大賞典が終わって、超イレギュラーだった今年の競馬がひとまず区切りを迎えたわけやね。

 

 有馬記念はクロノジェネシスが春秋グランプリ制覇、東京大賞典はオメガパフュームが同一競走3連覇。共に1番人気が勝つ結果となったけど、それにしてもまぁ今年は1番人気が強かったよな。競馬が「無観客」で開催されることに決まった時点でメディアや評論家から「今後は人気馬がそのまま上位に来るケースが多くなる」との見立てがあって、事実その通りになったんだよな。普段予想が当たる当たらないはともかく、競馬情報で飯を食っている方々の目ってのはなんだかんだ言って侮れないと感じたな。

 

 話を有馬記念に戻すと2着が後方から追い込んできた穴馬サラキア、3着に先行勢で唯一粘り込んだ2番人気フィエールマン。次いで自分が応援してたラッキーライラック、そして同着ワールドプレミア、カレンブーケドールまでが掲示板入り。サラキア以外は1~5番人気が掲示板を占めたわけで、配当面を除けば「固い決着」ということにもなるわな。

 

 当日の記事を書いた時点ではラッキーライラック単勝を買うか買うまいか考えていて、最終的にどうしても勝ち切るイメージが出来なくて「見」したけど、1周目のホームストレッチで外を回されちゃってたのを見て「こりゃ勝つのは無理だな」って思っちゃったもんな。福永騎手も最善を尽くそうと努力した結果の4着なので仕方ないでしょう。2歳チャンピオンになってから5歳末までの長い間、今まで本当によく走ってきたと思います。

 

 それはともかくとして、有馬記念を見て気になったことがあって調べてみたことがあって。その結果がタイトルに書いた「11対16」なんだけどさ。これが何を指すというと

 

「今年の春天除いた芝混合G1競走における、3着以内に入った馬の性別延べ頭数差」

 

 なんですよ。いうまでもなく牡馬11頭対牝馬16頭という数字。今年はとにかく「牝馬が強い」って言われ続けたけど、数字にすればホント圧倒的だよね(対象を広げて「掲示板入り」で見ても牡馬25頭対牝馬21頭、この時点でもすでにかなりヤバい数字)。

 

 こんなことをわざわざ調べてみたくなったのも、自分の中でずっと「世間では『牝馬が強くなったから勝っている』って風潮があるけど、もはやそれだけじゃ説明しきれないファクターがあるんじゃないか?」っていう思いがあって。それで(非常におおざっぱではあるものの)客観的な数字を出してみて「ああ、やっぱりな」って。

 

 そもそも「牝馬が強くなった」っていう現象は昨今始まったことじゃなくて、2007年の「ウオッカダイワスカーレット時代」からずっと続いて来てて(その萌芽としては2005年にスイープトウショウヘヴンリーロマンスが所謂「古馬王道路線」を制したところにあったのかも知れんけどさ)。

 

 その後もブエナビスタジェンティルドンナのような恐ろしく強い牝馬が定期的に出没したんだけど、2010年代中盤まではちゃんと対抗できる力量を持った牡馬もいたんだけど…それも(あくまで個人的見解だけど)モーリスやキタサンブラックの後を継ぐような馬が現れないまま時が流れ、一気に顕在化したのがたまたま今年だったっていうことなんじゃないかなあ?

 

 つまり今の日本は「牡馬全体が弱くなってしまったんじゃないか」ってこと。

 

 もちろん今年に限れば「無観客競馬」が牡馬に不利に働いたっていう仮説も成り立つから、去年までの「平時体制」に戻れば改めて牡馬が盛り返すという可能性も充分あるんだけど、それにはまず新型コロナウイルス感染症が終息しないことには検証のしようもない。

 

 もう残り24時間を切ってしまったけど、来年はどうなっちまうんだろうなあ…

 

 かしこ。