「馬の気持ちなんてわかるわけないじゃないですか!だって馬ですよ?」…2020年凱旋門賞について。

 今年の凱旋門賞について考えてみる。

 

 毎年10月第1週といえば、日本ではスプリンターズステークス、そしてフランスでは凱旋門賞が開催される。最近の日本競馬においては、今週から秋のG1戦線がはじまるものとして認識されていたわけだが…

 

 言うまでもなく今年は年初からの「新型コロナウイルス」世界的大流行の影響で人間社会全体がしっちゃかめっちゃかになってしまった。当然競馬界にも甚大な打撃を与えてしまったわけで、クラシック競走をはじめとする各国の主要レースが軒並み中止ないし延期・サラブレッドの取引市場であるセリ市の縮小等々…「無観客競馬」ではあるものの、予定されていた番組をカレンダー通りに消化できたJRAは実に稀有な存在と言っても過言ではないだろう。

 

 さて凱旋門賞に関しては「とりあえず」予定通りに開催することは出来そうだが、今度は「気象」という自然現象だ。ロンシャン競馬場はここ数日の降雨の影響で馬場状態が非常に悪化した。それを嫌った陣営は次々と出走取り消しを決めてしまう。その中には今年のエプソムオークスを圧勝し事前予想でも1番人気に推されていたラヴも含まれていたため、この文章を書いている段階で出走予定馬は15頭まで減少してしまった。

 

 となると注目は当然2017、2018年の本競走を連覇し、史上初となる3勝目を目指すエネイブルがどういう走りを見せるかに尽きる。今年の英愛ダービー馬が出走するとはいえ過去の戦績的には正直微妙だし、古馬勢もユタカちゃんが騎乗するジャパンや日本から欧州に長期遠征しているディアドラがいるものの、エネイブルのライバル足り得る存在とも思えない。G1を7勝しているストラディバリウスがいるとはいえ、この馬の主要戦績は3000メートル以上に集中しているので「未知数」としか言いようがない。

 

 おまけに昨日アイルランドのオブライエン陣営から使用していた飼料の中に規制薬物が混入していたため最悪の場合出走不可になるかもしれないとか、当日も降雨に加え暴風になるかもしれないとか、もう何が何だかさっぱりわけが分からない。結果以前に、無事にレースを開催出来て全人馬共に無事にゴール出来ることを祈るしかないだろう。

 

かしこ。